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脳幹部脳梗塞にて寝たきり状態で一人暮らしの在宅療養のサポート(74歳女性)
  • 脳幹部脳梗塞にて寝たきり状態で一人暮らしの在宅療養のサポート(74歳女性)

    診断

    てんかんに伴う廃用症候群・脳幹部脳梗塞・非弁膜症性心房細動

    病歴

    40歳台でてんかん発症し、治療を継続しているが高齢となり次第に廃用症候群となりADLが低下し、外出困難で室内ならばつたい歩きで生活していた。

    2017年7月、脳幹部脳梗塞に罹患し入院となりリハビリ病院転院してリハビリをするも寝たきり状態で、自分での坐位保持困難で自ら体位変換困難で食事は全介助の状態で安定した。要介護5の状態。

    娘が介護職であり、寝たきりの祖母を在宅で看取った経験があり、本人の希望もあり在宅療養となる。

    生活状況

    独身の息子との2人暮らしであったが、息子は仕事のため夜遅くまで帰宅することができないことばしばしばあり、介護に関与することはなかった。

    嫁に出た娘がキーパーソンで娘の勤務先がケアマネージャーとなり介護計画を作成している。1日2回、朝昼介護職が入り、夕方は娘が介護するが21時以降は一人のこともある状況であった。

    1日の大半が一人暮らしであり、押しボタン式の緊急連絡装置の設置を申請したが、同居者がいる場合は認可されないため、息子が別居し安全な一人暮らしとなる。

    経過

    退院直後は何とか食事もとれていたが、充分でなく週3回の点滴にて水分補給をしたが次第に食事がとれなくなり、経口栄養剤も200ml飲むのがやっととなった。

    2月中旬より中心静脈栄養とするが、内服剤の服用も困難になってきている上に筋力低下に伴う嚥下困難、呼吸筋不全が進行したため胃瘻造設を勧めていた。

    6月、意識障害のため緊急入院となる。誤嚥性肺炎とてんかん発作、呼吸筋不全によるCO₂蓄積が意識障害と考えられ、胃瘻造設し、内服剤の確実な投与、栄養改善をはかることとなる。

    退院後より定期巡回随時対応、訪問看護、介護サービスとなる。

    1日のタイムスケジュール

    訪問看護

    胃瘻からの注入と管理・全身状態の観察と評価・肺理学療法

    訪問介護

    身体保清、体位変換、療養支援

    週2回理学療法士によりリハビリ

    8月中旬より全身倦怠、呼吸困難が強くなり、抑うつ状態となり“胃瘻の中止など”の訴えが多くなり、介護、看護とも随時対応を1日数回行うことがあるが内服剤の調整で落ち着く。

    9月5日より痰の喀出困難が悪化し、随時対応で処置するが9月7日早朝より意識レベルの低下があり緊急入院となる。

    肺炎併発、呼吸筋不全による換気障害が悪化し2週間後逝去される。