医療法人 実昌会グループは医療に特化した在宅療養支援グループです。


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当院での末期癌患者の在宅緩和医療(2023.1~2023.12)
  • 当院での末期癌患者の在宅緩和医療(2023.1~2023.12)

    2023年1月1日より2023年12月31日までの1年間に当院で加療した末期癌患者は男性26名、女性23名の計49名でした。

    発生臓器別では肺癌、大腸癌患者さんが多くおられましたが、全身あらゆる癌患者さんの末期病態に関わらせていただきました。

    紹介元医療機関としては県立医療センターからが最も多く山口大学医学部附属病院、山口宇部医療センターからも紹介を受けております。
    新型コロナウイルス感染の蔓延によって家族の方の面会が制限された結果、ご本人もご家族も、みんなともに過ごし、みんなに囲まれて最期を迎えたいという方が、在宅療養を選択された傾向にありました。市中病院からの紹介も、多くは基幹病院から療養目的に転院されたものの、やはり自宅療養を選択された方が多くいらっしゃいました。
    当院通院中又は当院受診された際に癌が発見され総合医療センターで癌治療を受けられながら当院にも併診され末期を迎えられた方が5名いらっしゃいました。

    在宅療養中に新型コロナウイルス感染に罹患され、中等症の呼吸不全状態となられましたが入院すると家族の誰とも面会できなくなり、家族の看取りができなくなるため在宅酸素導入等を行ない自宅で看取った方もおられました。
    本人、家族が求めに応じた医療行為(胸水、腹水穿刺、経管栄養、中心静脈栄養、在宅酸素導入、ストーマ管理等)を行っております。
    癌性疼痛管理を要した患者さんは24名でそのうちの半数の方で注射剤による疼痛管理や終末期には鎮痛処置を行ってまいりました。

    癌に対する積極的な治療が終了し、緩和医療の状態となってからの在宅療養期間は1~3ヵ月の方が最も多くいらっしゃいましたが、在宅療養となってから病院で予測された予後以上の期間を在宅で過ごされた方も多々ありました。

    当院での在宅緩和医療ならびに訪問看護ステーションプルメリア、サービス付高齢者向け住宅プルメリア等での在宅緩和ケアの後、在宅看取りとなった方が31名、最期は病院へと転院された方が13名おられました。2023年12月末の時点での治療継続中の方が5名いらっしゃいます。

    当院では2023年の1年間に48名の看取りを行っておりますが、そのうちの31名が末期癌患者の方々でした。
    その看取りの場所は自宅で看取りとなった方が20名、サービス付高齢者向け住宅プルメリアに入居されそこで看取りとなった方が11名おられました。
    2023年はやはり新型コロナウイルス蔓延のため在宅で看取る方が多くいらっしゃいました。

    当院での在宅看取りまでの療養期間としては療養開始後から1~3ヵ月間の自宅療養という方が最も多くいらっしゃいました。
    ご本人が最期は家で過ごしたいという強い希望のため自宅に戻られ数日で看取りとなった方々もいらっしゃいました。
    病院では予後3~6ヵ月と言われていた方の中には在宅療養で予想された以上に生活された方も少なからずいらっしゃいました。

    毎年のことですが、県立総合医療センターの皆様には、病状の急変時や本人・家族の想いの急転時に時間外でも転院を受け入れていただいており、患者家族の方々から感謝されております。
    それ以上に在宅療養を担当している当院にとっては大変ありがたく思っております。
    さらに本来の癌以外の病態で入院が必要となった場合や、元の紹介先が遠方のため家族が自元の病院で看取りを希望された際に受け入れていただいた三田尻病院、三祐病院の皆様にも感謝申し上げます。