医療法人 実昌会グループは医療に特化した在宅療養支援グループです。


メニュー
在宅でドブタミンの持続点滴を行った肺高血圧症による末期心不全患者(75歳男性)
  • 在宅でドブタミンの持続点滴を行った肺高血圧症による末期心不全患者(75歳男性)

    診断

    肺高血圧症・慢性心不全

    退院までの経過

    高血圧症による慢性心不全で治療されていた。

    2017年2月

    インフルエンザ感染後心不全の急性増悪で入院

    HOT導入

    2017年8月

    心不全の急性増悪にて再入院。シルデナフィル、イロプロスト導入

    2017年10月

    心不全の急性増悪にて再入院。シルデナフィル導入

    2017年12月

    心不全の急性増悪にて再入院。ドブタミン持続点滴

    2018年1月

    ドブタミン持続点滴を減量すると尿量低下し心不全の悪化をきたすカテコラミン依存性の為、ドブタミン2.5μg/㎏/min持続のまま退院となる。

    退院後

    末梢よりドブタミンの持続点滴継続のため定期巡回随時対応サービス利用となり毎日訪問看護が入り点滴の管理をする。中心静脈点滴ルートによる強心剤の点滴を提案するも本人拒否し、入院と同じように末梢からの点滴のため、点滴の閉塞、点滴漏れ予防のため3日に1回、ルート交換するが、日中、夜間に閉塞がみられ、訪看へ連絡があり直ちにルートをとり直すことが月2~3回ありその都度対応する。それでも退院後、BNP940から439まで改善し、食事量も増えベッド上生活が主体であるが安楽な在宅療養をおくった。毎日訪問看護にて点滴の交換、心不全状態のチェック、足湯などの保清、妻へのレスパイトなどの看護を行う。

    退院後、2か月後より心不全の悪化がみられ、ドブタミン増量。

    退院後、3か月後に心不全の増悪がみられ、ドブタミン増量するも症状の改善なくイロプロスト吸入増量とカルペリチドの点滴を追加し、心不全の増悪は改善する。心不全の増悪の原因が点滴漏れと考えられ本人の承認もあって中心静脈ルートからの持続点滴をする。

    7月20日退院から6ヵ月をむかえ、うなぎを食べてお祝いする。
    翌日朝より、感染徴候とともに心不全の悪化症状がみられ、利尿剤増量し、抗生剤開始する。翌々日午前、ポータブルトイレでの排泄中に突然意識消失し、ナースコールあり。心肺停止状態であったが、妻は救急依頼を断りそのまま看取りとなる。